観劇

友人の紹介で、劇団岸野組公演「万お仕事承ります」を観に行きました。
久しぶりの観劇だったのでかなり楽しみにしていたのですが、
期待通り、いやそれ以上の内容だったので大満足です。
今日の公演ではあるハプニングがありました。
主人公役を演じた座長の岸野幸正さんが、自らの若いころを演じた回想シーンで、
現在の年老いた主人公のカツラをつけて出てきたのです。
それでも劇は普通に進行していたのですが、ついに我慢が出来なくなったのか、
共演していた中尾隆聖さんが「この人白いカツラをつけて出てきてるんですよ」
と台本にない一言。
少なからず違和感を抱いていたであろう観客は大爆笑。
岸野さんは「若白髪だよ!」とすごんで一言を発し、さらに大爆笑。
現在のシーンに戻っても、共演の高木渉さんから「おっちょこちょいだったんですね」
なんてセリフも飛び出しました。
しかし、この流れは作品の色を壊すことはほとんどありませんでした。
作品の雰囲気にあった自然な流れで進行したんです。
舞台は生ものという言葉をあらためて感じましたね。
劇中は、舞台上にいるすべての人の表情に注目して見ていましたが、
シーンによっての微妙な変化がはっきり感じられるんです。間の取り方も同様。
そうやって見ていくうちに、次第に自分も舞台の上にいるんじゃないかと思えてくる。
はじめから終わりまで集中して見られたからこそ、そう感じたんだと思います。
充実した120分を味わうことが出来ました。
いやあ、演劇は本当にいいものです。