高橋力氏インタビュー

DJF前代表の高橋力氏が激白
高橋力氏が自身の退任騒動の要因に触れつつ、
主に生産者という視点で、日本競馬の将来について持論を展開しています。


「パート1になって、馬主や生産者にメリットがあるのでしょうか。
日本の馬がどんどん売れるとなれば必要かもしれないが、
そんな様子はない。果たして日本に有利になるのか。
不利になるようでは意味がない。
それで競馬や生産がおかしくなっては本末転倒。
中央・地方の主催者や日本軽種馬協会は日本の競馬を安売りしないで、
もっと大事にした方がいい。ほかのスポーツでもそうだが、
日本が強くなると規則が変えられてしまう。水泳や柔道のようにね。
競馬もそうなるかもしれない。それが怖い。
守るべきところは絶対に守らないといけない。
香港はパート2でも発展しているし、
国際競走はジャパンC以上に盛り上がっている」
実際パート1になったところで、生産者、特に中小規模のところは、
メリットがあったかなと思いますね。
外国から馬を買いに来たって話も聞かないですし、
馬の値段が上がったというわけでもない。
香港の国際競争シリーズが盛り上がるのは、
主要距離のGIを1日でやるからですが、
日本はJCDを1週繰り下げて開催地を変更するように、
各週の売り上げを大事にしていますからね。
香港に対抗したいなら、JCデーにGIを含めた重賞を4、5戦行って、
香港につながるシリーズにしなきゃどうしようもないでしょう。
そうするならば、主要GIをしこたま国際レースにするよりは、
国内限定レースはきちんと実施し、国際戦のGIを国際競争シリーズとして、
1週に集中して実施するほうがいいかなって気がします。
それが日本の競馬ファンのスタイルに合うかが問題になりますが。

「国際化は身銭を切って痛みを知る人が中心となって、
サークルのみんなが参加して協議する必要がある。
大生産者だけでなく中小の生産者も入れてね。
変なことになったら取り返しがつかない。
生産あってのパート1なのだから」
来年からは市場取引馬奨励賞がなくなり、セリでの影響も懸念されています。
中小の生産者にとっては、馬が売れなくなると死活問題ですからね。
主催者と生産者できちんとした話し合いが出来ているかが気になるところです。