M-1、一晩あけて

準決勝の審査員だったかわら長介の、サンドウィッチマン評があったので紹介。
「65〜2007M−1準決勝?」


【12】サンドウイッチマン(伊達みきお・宮澤たけし)
 フラットファイブ
▼「友達の結婚式でのスピーチ」を宮澤がやる。全編ボケだ。
これに登場即、「どうもヤクザです」と自己紹介した伊達が突っ込む。
▼淡々と、ただ淡々とボケとツッコミが続く。
笑いも取っている、間も良い、面白い。
だが、それは自分たちが気持ちいいことをやっているだけのように見える。
それって、結構観客不在というか、ファン無視ってことでは?
勿論、誰の為に芸人をやっているかと言えば自分の為だろうが、
人間生きることはそう単純でも、自由でも無い。
▼「たくらだ堂60,61〜変節」の上沼恵美子のところで書いたが、
芸人は売れることに比例して社会的責任が大きくなると。
分かりやすく言えば、売れれば期待が大きくなるので、
その期待に応えなくてはならなくなるのだ。
つまり、好きな道なんだけど、自分勝手に自由に生きるという訳には
行かなくなってくるのだ。
だが、他人に期待される処に生甲斐は更に倍加する。
誰にも頼られない人生が如何に空しいか、
生き難いかは少しの想像力で理解できることだ。
そして、彼らへのその期待とは‘もっと面白い笑いを!’という以外には無い。
▼当たり前だが彼らに上を目指す気が無いわけは無い(筈)。
その最大の成果と意志を見せつける場としてM-1は相当有効な場で
あると思うし、彼らもそう思っている(筈)。
それなのにこのネタでは如何なものかと正直思わざるを得ない。
このままでは、僕に彼らの栄光は見えてこない。
今田耕司が、サンドウィッチマンが決勝進出を決めた際、
もう面白いネタがないという彼らに、
「準決勝でやったやつがあるやん!」と、しきりに薦めていたネタは、
「結婚式のスピーチ」だったみたいですね。
これは、エンタでもやったことがあるネタで、それとまったく同じだったかは
わかりませんが、かわら氏は、このネタ自体はテンポよく間もいいし面白いが、
自分達で楽しんでいるだけで、観客に向けて行っているものには見えないと、
そう感じたことになりますね。
エンタでやっていたものを、某所であらためて見てみましたが、
そんなに自分達よがりな感じかなあ。
極端にマニアックなネタをやっているわけでもなく、
まっさらな状態の人がみても、受け入れられるネタだったと思います。
もちろん、実際に準決勝でやったネタを見たわけではないんで、
なんともいえないところではあるんですが。
ただ、彼らは敗者復活で、かわら氏のいう「このまま」では終わらなかったので、
栄光を掴み取ったことになるんでしょう。
この結果に対して、どう評価するか、まさかここまで書いといて、
一切無視はありえないでしょうから、楽しみに待ちたいです。