JC回顧

スクリーンヒーローが好位抜け出しで快勝。
大方の予想とは違い、ネヴァブションがハナを切る展開になり、
前半1000Mが1分1秒台という、GIとしてはかなり緩いペースが作り出されました。
結果、ウオッカはかかりぎみ、サムソンは内で動けないまま、
マツリダは東京を意識してかロングスパートはせず、
ディープスカイは後方から無理に上がっていけないという、
有力馬にとっては最悪に近い展開。
そんな中、スクリーンヒーローは、アルゼンチン共和国杯同様、
展開に惑わされずぴったり折り合って好位を追走し、
直線でも長くいい脚を使ってのび、のびあぐねるウオッカ、マツリダを寄せ付けず、
唯一後方から追い上げたディープスカイの追撃もしのぎきって、
初重賞がJC制覇という快挙を成し遂げました。
レースレベルに関しては正直微妙だと思うのですが、
展開に惑わされず、長く末脚を使う同馬の持ち味が最大限に発揮されたことは
間違いないですし、この馬も予想以上に力をつけていたことは確か。
それを完璧な騎乗で導いたミルコ・デムーロ騎手、
レースに合わせて馬を仕上げた鹿戸雄一調教師はすばらしかったと思います。
祖母にノーザンテースト産駒でJC3着のダイナアクトレス
母はサンデーサイレンス産駒のランニングヒロインという、
社台ゆかりの血統に、父はグランプリは3連覇したものの、
引退までJCに縁のなかったグラスワンダーの血が結びついた結果、
思えば、父が屈辱を味わったアルゼンチン共和国杯を制したときから、
この馬の運命は大きく変わっていたのかもしれませんね。
有馬記念でも挑戦者という鹿戸調教師ですが、
今日のレースぶりなら、引き続きいいレースは出来るでしょう。
ディープスカイはここ2戦、やや強引な競馬でも崩れなかった上に、
今回も厳しい展開の中、1頭だけ差をつめて2着。
この馬の強さを再確認できたと思います。
来年は長期的な展望で海外遠征に挑むとのことで、
ぜひとも頑張ってほしいと思います。
ウオッカはスローにも泣きましたが、現状では2000Mまでがベストなのでしょう。
こちらも来年は海外遠征。ドバイに香港はもちろんですが、
個人的にはぜひともBCフィリー&メアターフに出てほしいですね。
マツリダゴッホは、東京でも安定したレースをみせ、
ウオッカとの3着争いもほぼクビの上げ下げで負けたようなもの。
力は見せていると思います。
ただ、東京の長い直線よりも、中山のような短い直線のほうが持ち味がいきますね。
有馬記念では今年も有力候補ということに変わりはなさそうです。
来年以降、現役で続けるかは微妙なところですが、
宝塚記念のコース形態は、この馬にとってベストな気がするので、
中山大将で終わらないためにも、ぜひとも挑戦してほしいです。
オウケンブルースリは、現状、上位との力差はあるのかもしれませんが、
内容は悪くないと思います。
じっくり使ってほしいという気持ちもありますが、
菊花賞の内容から、まくれば有馬でも面白いと思うので、
個人的には有馬記念にでてほしいですね。
メイショウサムソンは、速い上がりで勝負する馬じゃないだけに、
今回の展開は最悪だったと思うのですが、
だからこそ積極的にせめてほしかったです。
3角までは文句ないレースだったと思うのですが、
直線を向く前に内から一気に仕掛けて、マツリダあたりと競り合いに
持ち込んでいれば、もう少しはマシになったんじゃないかと・・・
まあ終わった話ですが。
石橋守騎手は次走も乗れるか微妙ですが、乗れるのだとしたら、
今度はマツリダのお株を奪う積極策をみせてほしいです。