新潟記念におけるローウィラー騎手の御法と採決について


斜行Vマーティン苦い2000王者/新潟記念
ローウィラー、斜行で騎乗停止8日間 重賞初Vも処分にガックリ
【新潟記念】マーティンボロ、直線で壁こじ開けV!(1/3ページ)
無理やりな進路取りに過度な右ムチ連打による斜行。
素人目に見ても、あれがまともな乗り方じゃなかったのは一目瞭然であり、
事故が起こらず本当によかったと思えるものでした。
開催8日間の騎乗停止も妥当でしょう。
しかし、明確な不利があっても、制裁は騎手のみ。
入線から確定まで、審議のランプは点灯すらしませんでした。
このような運用に対しての批判は、
降着・失格のルールが現行のものになってから幾度となく行われていますが、
採決委員がランプをつけなかった理由は想像がつきます。
なぜなら下記リンクにある通り、審議のランプが点灯するのは
「5位までに入線した馬の着順に変更の可能性がある場合」だからです。

降着・失格のルールを変更しました
加害馬と被害馬の着差は最低1馬身半くらいありましたから、
「その走行妨害がなければ被害馬が加害馬に先着していた」と、
採決委員が判断することはなかったのでしょう。
そういった判断のあいまいさや、
説明・周知不足を改善していくことは今後も必要ですが、
審議ランプの不点灯や降着に至らなかったことへの理解は示せます。


ただ個人的に、この事象は「失格」に該当するレベルではないのか、
という疑問が残ります。


上記リンクによると、失格となるのは、
「極めて悪質で他の騎手や馬に対する危険な行為によって、
競走に重大な支障を生じさせた」場合。
この説明の通りだと、落馬や故障などの事象とは関係なく判定されるように読めます。
先にも述べた通り、進路取りとムチの入れ方は
「極めて悪質」で「危険な行為」と判断できるもの。
さらに、大小違いはあれど5頭の競走に影響を与える走りをしたことは、
結果として落馬や故障にこそつながりませんでしたが、
「競走に重大な支障を生じさせた」と言えるものではないでしょうか。
実際、被害を受けた騎手のほとんどからも不利に関してコメントがあり、
レースへの影響が軽微であったとは到底考えられません。

斜行被害ジョッキー不利に怒り/新潟記念
【新潟記念】メイショウナルト10着 武田師「強行軍の影響も」
【新潟記念】戦い終えて
失格と判断しなかったこと、
失格に至る状況がどんなものかのより具体的な説明を、
もう少しきちんとしてほしいですね。


なお今回の件でローウィラー騎手は、
日本と今後予定していた香港での騎乗が、10月5日まで出来なくなりました。
さらに制裁点が累積36点となり、2012年より定められたルールによって、
来年JRAでの短期免許取得も不可能です。
日本での初重賞制覇と引き換えに失ったものは大きかったと言えるでしょう。