最悪のパターン(長文)

JBC協会は同競馬場で今秋に行われるJBCクラシックとスプリントへの、
賞金などの支援を全面的に中止すると発表してしまった。
この問題に関しては、いち競馬ファンとして、南関東競馬ファンとして、
大井競馬ファンとしてしっかり論じるべき問題だと思い、
私見を交えながら具体的に書いてみたいと思う。
事の発端は、大井競馬が現役の外国レース出走経験外国産馬を導入を
検討したことに始まる。
これに国内の生産者は猛反発。
撤回の要望書を提出したり、反対会議をおこしたりなどして
その姿勢を明確にした。
しかしながら大井は今月9日、正式に導入を発表。
当初発表していた、導入制限数を年間20頭→10頭までに、
1馬主の所有できる数を、3頭→2頭に減らすなどの妥協を見せているのだが、
根本的な反対を掲げていた国内生産者には到底納得できないものだったでしょう。
その結果、JBC協会は主催者がJBCの理念に反した行為を行ったとして、
今年は大井開催だったJBCへの支援撤回を表明。
レース名使用の中止、賞金の減額、統一グレードの剥奪など、
完全な泥仕合の様相を呈してきた。
仮に大井が導入を白紙化しても、支援復活となるかどうか・・・
大井競馬は、おそらく地方競馬最大勢力といえる存在。
その大井競馬ですら3年連続で赤字に転じているという危機をまず意識すべき。
大井としてはその打開策として、
相対的なレースの質向上→新しい血→外国馬導入となったわけだと思う。
生産者に言わせれば、もっと別の面で努力しろということなのかもしれないが、
個人的に現状大井競馬は、なかなか魅力的な催しを展開していると思っている。
トゥインクル開催は、会社帰りのサラリーマンも目立ち、
知ってる人に連れられてきたビギナーの人も多く見かける。
競馬ファン以外が楽しめるスペースもそこそこ充実していて、
交流重賞や南関重賞開催時には、ステージイベントもあり。
それをもってしても、マイルグランプリのG2格下げなどが行われるほど
状況は危機的なのだ。
もちろん生産界も同様に、サンデー系以外の競走馬の価格が減じていたり、
単純に競走馬が売れなくなっていたりする現状もあるでしょう。
船橋に拠点を構えるダーレージャパンが零細牧場を買収して、
着実に勢力を拡大しているという危機感も前提にあるかもしれない。
ただ個人的にはもっと外国の流れをうまく利用してやれないのかと思う。
外国馬が導入され、それなりの成績を上げた場合、
日本で零細血統だった場合、その血を残し生かしていくことが可能だし、
正直サンデーで凝り固まり将来的な危機が見えている現状の打破になると思う。
問題は、まずこの動きに合わせて、他のスポンサーや馬主勢がどう動くかなのだが、
馬主では、JBCを主導しているのが社台グループなんで、
こちらのリアクションは言うまでもない。
やはり大きいのは国内外を問わず競走馬に投資をしていて、
JBCのスポンサーでもある関口房朗フサイチネットではないか。
地方競馬での講演も数多く行っているし、ファンも好意的に見ている人が多い。
ただこちらも社台の生産馬は多く所有しているし、
下手な手には出られないよね。
となると、馬券で支えているファンの行動にかかるというわけか。
プロ野球のスト問題と違い、多くのファンが大井の決定に
疑問を抱いているわけじゃないはず。
そんな中で生産者側の意向で、地方競馬最大のイベントに水を差してしまったのだから、そっちに対する反発が強いんじゃないかな。
国内競馬、特に地方競馬を盛り上げるために始めたことを、
今年だけのこととはいえ、支援中止に持っていったことは
完全にファンを置き去りにしてるし、振興という面でも大きなマイナスだと思う。
今後大井と生産者が歩み寄り、正式な開催が行われることが一番に望みつつ、
今後の動向を見守りたいね。