後藤浩輝騎手逝去

訃報 後藤 浩輝騎手 逝去
携帯電話をスマートフォンに替えて、
重要なニュース、気になるニュースが続々と通知されるのは、
多少のわずらわしさこそあるものの、便利だなと思うんです。
記事タイトルの件もしっかり通知してくれましたよ。
作業に集中したい時間帯にね…


本当、もうなんて言っていいかわからないです。
通知を見た瞬間、鼓動が一気に早くなって心が乱れそうになり、
トイレで深呼吸してようやく落ち着きましたが、
昨日の仕事はいつもより時間がかかってしまいましたよ……


僕が後藤騎手のことを注目し始めたのは、
ユーセイトップランで勝ったダイヤモンドSでした。
直線の長い東京で果敢に仕掛けてそのまま押し切るレースぶりに、
何だこの人は!と驚嘆したのを覚えています。
その後、アドマイヤコジーンを復活させた東京新聞杯
自信のGI初勝利となった安田記念で彼のファンになっていき、
著書も買いました。
(個人的には「戯言」が一番好きです)


勝利騎手インタビューで都度見せる
なんだかよくわからないパフォーマンスはいろいろ言われましたが、
僕はファンサービスを意識するうえでの暴走?と考えることにしてました。
(面白いものもあったけど、はっきりスベってるものもありましたね)
インタビュー以外でも場内イベントで盛り上げ役を買って出るなど、
ファンサービスへの貢献度は、騎手の中でも群を抜いていると思います。
またそういった内向きのものだけでなく、
競馬以外のテレビ出演も積極的に行い、騎手後藤浩輝として、
競馬がどういうものか、騎手がどういうものかを、
時には真面目に、時にはおちゃらけて語っていたのも印象的でした。
競馬を知らない人への貢献度も高いでしょう。


彼の死は自殺と報じられています。
原因が何なのか、検証するような記事も出てくるでしょう。
しかし、そうやって他人がなんだかんだと詮索するのは、
個人的にあまりしてほしくありません。
ただ、この結果を受けて、関係者やファンが抱いた、
無念さ、無力さ、悔しさなどの感情は、
様々な機会において伝えてほしいと思います。
そうすることで「自殺」がもたらす影響がどんなものか
伝わるはずなので……


【椎名記者が悼む】人一倍空気読める男が何をしてるんですか
【後藤騎手突然の別れ】池添「なぜ」22日最後の会話
小林淳一元騎手「正直認めたくない」
後藤騎手の師匠、先々週一緒に食事
誰もが後藤騎手の自殺に「分からない」
後藤騎手の死は海外にも波紋
競馬の世界は常に死と隣り合わせです。
死がもたらす苦しみを競馬関係者は毎日感じているでしょう。
だからこそ、彼の選択は本当に残念です。
また、上記紹介記事の椎名記者も言っているように、
彼ほどファンを大切にしていた人が、
一番ファンを悲しませる形でターフを去るなんて……
本当に信じられないです。
騎手後藤浩輝としての最後のパフォーマンスは、
騎手仲間やファンに囲まれての引退式であって欲しかったのですが、
それも叶いません。


最後の言葉として、さよならもお疲れ様もしっくりきません。
あえて言うとすれば「無念」
この言葉に尽きます。